2015/10/19

Hempdrix(ヘンプドリックス)を密輸入してしまった私①

七月のある暑い日、私の新居に五人ほどの男女が訪れた。
出なかったら、電話までかかってきた。
私は悪いことばかりしている、それは認めよう。
しかしこの流れは?

時刻といい、人数といい、完全に家宅捜索(ガサ)ではないか。

いったい、だれなのだ。
おそるおそる、ドアを開ける。
礼状が、あるという。
ああ、それならば、完全にアウトだ。
確か、二年前にも、こんなことがあったので、知っている。

デジカメのフラッシュが激しく光る。
お向かいに、赤ちゃんが住んでいるから、お静かにと、私は冷静に対応する。
心中穏やかでないに決まっている。
きっと、お向かいの住人はすぐに引っ越してしまうだろう。

捜査員が一斉に入ってきた。
さて、私はいったい、何をしでかしたのだろう?

まず、捜査員は、家の中の荷物を調べ始めた。
私が作成した「喧嘩上等 まじめにやれ」シールを見て、へんな顔をしている。
まじめに作っているのに、へんな顔はやめてほしいと、私は心の中でつぶやく。

「石ばっかりです!」

そりゃ石を好んで集めているんだから、ウチは石ばっかりです。
なんだか恥ずかしい気持ちだ。

PCとスマホのパスワードを聞かれたので、素直に伝える。
デジカメでPCの画面を撮影される。
もはや痛々しい気持ちでしかない。

捜査員がパスワードをいとも簡単に聞き出すのにはあきれてしまった。
十二年前、私の首を絞めて、パスワードを聞き出したのち銀行へ直行した男は、精神的に問題があるからと無罪放免になった。
なんという理不尽だ。

で、今度は、私はいったい何をしでかしたのであろうか?


(つづく)